矯正治療によって歯並びや噛み合わせの改善を得られる反面、医療行為は望まない反作用やリスクが少なからず伴います。
決して不安を煽るものではなく、可能性がある項目をきちんと理解して頂き、安心して矯正治療を受けていただく事を目的として、多岐に渡り代表的な事項を取り上げております。

不快感・痛み

最初は矯正装置による不快感、痛み(装置によって異なります。)等があります。

個人差がありますが、矯正治療中に歯に痛みが生じる場合があります。歯の移動に伴う痛み、装置による粘膜の痛みなどがあります。通常1~4日ほどで和らぎ、徐々に感じなくなります。

矯正装置を誤飲する可能性があります。歯に直接装置を接着する装置は、外れてしまうリスクがあります。その場合、誤って装置を飲み込む事もあります。通常はそのまま排泄されますが、稀に気管の方に入ることがあります。その際は、救急医療の受診が必要となります。

歯ブラシ

きちんと歯磨きをしないと虫歯や歯肉炎、歯周病が悪化することがあります。

また歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。

患者さんが使用する装置には協力が不可欠

患者さんの協力が非常に重要であり、その治療結果や治療期間に影響します。

装置がきちんと使えない、時間通り使用していない、定期的な通院が出来ない、無断予約キャンセルや長期間の無断未来院により、治らない or 治せない状況に変化してしまう場合もあります。

矯正治療と顎関節症

治療中にあごの音が鳴る、痛い、口が開けにくいなどの症状が出ることがあります。

矯正治療は年単位の治療になるため、途中で「顎を動かすと音が鳴る、顎が痛い、口が開きにくい」といった顎関節症の症状が発現することがあります。

症状により、矯正治療を一時中断することもあります。

歯並びの安定について

治療後保定装置(リテーナー)装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。

習癖、加齢、歯周病等により歯を支えている骨歯茎がやせるなど、噛み合わせや歯並びは変化してきます。

後戻りしてしまった場合には、再治療が必要になることもあります。

治療方針の変更

治療方針(装置や抜歯部位)は治療経過により変更することがあります。

マウスピース型矯正治療にて予定した歯の動きが認められない場合には、ワイヤー矯正を適応することがあります

一般治療の必要性

ごく稀ではありますが、装置を外す時に、歯の表面に亀裂が生じる、かぶせ物の一部が破損する可能性があります。

治療前と治療後では噛み合わせが異なるため、現在の噛み合わせにあった状態に虫歯の治療、被せ物の再治療を矯正の進行度を見ながら一般歯科で行って頂く必要があります。

歯ぐきについて

歯ぐきがやせて下がることがあります。

  • 矯正治療前、中に歯肉炎があり、矯正治療中・後に生じる場合
  • 歯が重なっている場所、又軽度歯周病の方などある場合
  • 歯ブラシの仕方によって歯ぐきが削れる場合

歯について

ごく稀に以下のような場合があります。

  • 治療により歯の根が短くなることがあります。
  • 歯が骨と癒着していて矯正治療でも歯が動かないことがあります。
  • 歯が動くことで歯の神経が障害を受けて壊死(歯髄壊死)することがあります。

※この現象は矯正治療がなされない場合でも認められます。このような現象は事前に避けるべき手段が乏しく治療前に確定判断が出来ないことがあります。発覚した場合は矯正治療の変更や将来的には一般歯科での根の治療が必要になります。

歯並びの仕上がりや個人差について

すべての方

  • 歯の動き方、生え方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • 歯の位置や角度においては必ずしも患者さんのご希望通りに動かすことが難しいことがあります。
  • 歯ぐきの見え方・口元の形・顔の形などは矯正治療を行なうことで改善するのは難しいとされております。
    ※矯正治療ではなく外科的な治療が必要とされることが多いです。

成長期の方

  • あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • 成長期の患者さんの場合、下顎の成長が12〜18歳以降にピークを迎えます。そのため、治療中・治療後に受け口などの悪化が見られることもあります。成長が終わってからの治療や手術を併用した矯正治療を提案させて頂くこともあります。